ボカロ音楽における物語性は、2007年の初音ミク登場以降、大きく変化してきました。当初はキャラクターソングが主流でしたが、bakerの「celluloid」を契機に、より深い物語性を持つ楽曲が増えていきました。
特に気になるのは、2010年代に入ってからの変化です。ボカロクリエイターたちは、単なるファンタジー要素を超えて、現代社会の課題や若者の心情を反映させた作品を生み出すようになりました。例えば、buzzGの「Alice in N.Y.」では、現代のニューヨークを舞台に不思議の国のアリスの要素を取り入れ、社会への違和感や希望を表現しています。
また、ハチ(米津玄師)の「マトリョシカ」に代表されるように、寓話的な要素を取り入れながら現代的なメッセージを込める手法も確立されました。この楽曲は、入れ子構造という物語の形式自体がメッセージとなっている点で画期的でした。
さらに、wowaka「アンノウン・マザーグース」のように、童話や伝承を現代的に解釈し直す試みも増加しています。この曲では、マザーグースの持つ不条理性と現代社会の矛盾を重ね合わせ、新しい物語表現を生み出しています。
buzzGの「Fairytale,」は、ボカロ楽曲における物語表現の新しい地平を切り開きました。この楽曲の特徴は、以下の要素にあります。
• メロディラインと物語の融合
• 歌詞の重層性
• サウンドデザイン
特に注目すべきは、buzzGが確立した「現実逃避としてのファンタジー」という概念です。これは、単なる現実からの逃避ではなく、現実を見つめ直すための装置として機能しています。
この手法は後続のクリエイターたちにも大きな影響を与え、ボカロ楽曲における物語表現の新しいスタンダードとなっています。
ボカロカルチャーにおける物語表現には、独特の特徴が見られます。それは、以下のような要素として現れています:
これらの特徴は、単なる物語の語り方としてだけでなく、現代社会における若者の心情を反映する重要な表現手段となっています。
現代のボカロ楽曲における表現技法は、従来の音楽表現の枠を大きく超えています。特に注目すべき点として:
• 動画表現との融合
• 感情表現の細分化
特に、三月のパンタシアの「フェアリーテイル」シリーズでは、これらの要素が高度に統合されています。従来の音楽表現では困難だった「物語の重層性」を、ボカロならではの特性を活かして実現しています。
ボカロ音楽の未来像について、以下のような展開が予測されます:
• VR/AR技術の活用
特に注目すべきは、「物語を通じた社会との対話」という側面です。ボカロ楽曲は、現代社会の課題や若者の心情を反映する重要なメディアとしての役割を担っています。
例えば、最近の傾向として:
• 環境問題への言及
• 人間関係の再考
• アイデンティティの探求
これらのテーマは、ファンタジー的な要素を通じて巧みに表現されています。
このような表現の深化は、単なる音楽ジャンルとしてのボカロを超えて、新しい文化表現の形態を生み出す可能性を示唆しています。特に、Z世代のクリエイターたちによる新しい解釈や表現方法の登場が期待されます。
今後のボカロ音楽は、テクノロジーの進化とともに、より複雑で重層的な物語表現が可能になると予測されます。同時に、その表現は社会との対話をより深める方向に向かうでしょう。
このように、ボカロ音楽における「フェアリーテイル」という要素は、単なるファンタジー表現を超えて、現代社会における重要な文化的表現手段として発展を続けています。その可能性は、技術の進化とともに、さらなる広がりを見せることでしょう。
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