関西最大の暴力団「桐ヶ谷組」直系「染井組」の組長の孫娘である染井吉乃は、祖父の決めた縁談で関東の暴力団「砥草会」直系「深山一家」の深山霧島と婚約することになります。表面上は爽やかな好青年に見える霧島ですが、実は危険な本性を秘めており、吉乃との関係性を通じて物語は予測不能な展開を見せていきます。
2024年10月より放送開始となったアニメ版は、AT-Xにて毎週水曜21時30分から放送されています。原作の持つバイオレンスな要素と繊細な心理描写を、アニメーションならではの演出で表現しており、原作ファンからも新規視聴者からも注目を集めています。
「次にくるマンガ大賞2018」コミックス部門1位、「このマンガがすごい!2019」オトコ編8位を受賞し、2020年6月時点で累計発行部数90万部を突破するなど、高い評価を受けています。特に女性読者からの支持が厚く、極道もののマンガとしては珍しい読者層の広がりを見せています。
主要キャラクターである吉乃、霧島、翔真の三角関係は、単なるラブストーリーを超えた深い心理描写が特徴です。特に霧島の吉乃への歪んだ愛情と、翔真の吉乃への複雑な想いが、物語に独特の緊張感をもたらしています。吉乃自身も、極道の世界で育った強さと芯の通った性格で、従来の少女マンガのヒロインとは一線を画する存在として描かれています。
作者の小西明日翔先生は前作『春の呪い』で「このマンガがすごい!2017」オンナ編2位を獲得しており、本作でもその実力を遺憾なく発揮しています。特に、極道の世界観構築における細部へのこだわりや、キャラクターの心理描写の緻密さは、作者の取材や研究の成果が反映されています。