深山霧島の人生を大きく変えた出来事は、小学5年生の時に起こした大規模な暴力事件でした。20人以上の同級生に重傷を負わせるという衝撃的な事件の背後には、彼の計画的な狂気が隠されていたんです。
普段から友達作りが苦手だった霧島は、空手道場に通わせてもらうことになります。しかし、そこで彼は驚くべき行動に出ます。自ら同級生たちにバットを渡し、「思いっきり自分を殴って骨を折ってくれ」と頼んだのです。
この異常な出来事をきっかけに、霧島は深山萼に引き取られることになります。実は深山萼は霧島の実の祖父ではなく、実祖父の兄にあたる大伯父だったんです。
霧島が中学1年生の時、ある決断をします。たった一人で大阪まで吉乃に会いに行ったのです。この時の出会いが、彼の人生を大きく変えることになります。
「普通」を装って生きてきた霧島にとって、吉乃は特別な存在でした。誰とも深い関係を築けなかった彼が、初めて本気で惹かれた相手だったんです。
吉乃との出会いは、霧島にとって運命的なものでした。「楽しい」や「友達」という概念すら理解できなかった彼が、初めて心から楽しいと感じられる相手に出会ったのです。
表向きは爽やかな好青年を演じる霧島ですが、その内側には誰も理解できない狂気が潜んでいます。特に吉乃に対しては、GPSで追跡したり、彼女に危害を加える者には容赦なく制裁を加えたりと、その執着は常軌を逸しています。
しかし、そんな狂気的な行動の裏には、実は深い愛情が隠されているんです。「吉乃が死ぬ時は自分も死ぬ」という覚悟を持って、彼女を守り続けているのです。
実は霧島と吉乃の婚約には、重大な秘密が隠されていました。吉乃の祖父である染井蓮二からの依頼で、霧島は吉乃を守る任務を受けていたのです。
この任務は、深山萼が染井蓮二への恩返しとして引き受けたものでした。表向きは婚約者として振る舞いながら、実は吉乃の命を守るという重大な使命を負っていたんです。
霧島の名前の由来となった「ミヤマキリシマ」という花には、「情熱」「自制」「節制」という花言葉があります。この花言葉は、まるで霧島の性格を表しているかのようです。
吉乃への強い情熱を持ちながらも、普段は感情を抑制する霧島。必要最小限の水分で生きるミヤマキリシマの花のように、欲望をコントロールしながら生きているのです。