深山霧島は、関東最大の指定暴力団五代目砥草会直系深山一家の総長の孫として生まれました。一見すると完璧な高校生に見えますが、その本質は誰にも計り知れない深さを持っています。小学5年生の時には同級生と上級生合わせて20人の骨をへし折るという衝撃的な事件を起こした過去を持っているんです。
なんでもそつなくこなす完璧超人として知られる霧島ですが、その内側には誰にも見せない闇を抱えています。特に注目すべきは、彼の行動の裏にある計算された狂気です。普通のテンションを保ちながら、容赦ない暴力を振るうという、ナチュラルボーンヤクザとしての一面を持っているんです。
汐田菜緒は霧島の3年前の元カノで、清楚な見た目と高い女子力を持つ大学生です。女子アナに内定が決まっており、元子役という輝かしい経歴の持ち主。しかし、彼女と霧島の関係は「他に女が何人かいても別にいい」という割り切った関係だったことが明らかになっています。
霧島は菜緒との再会後、彼女を利用して敵対勢力をおびき寄せるという計画を実行します。この行動からも分かるように、霧島にとって菜緒は単なる駒でしかありませんでした。5巻21話では「吉乃のためにお前と寝ただけで特別でもなんでもない」と容赦ない言葉を投げかけているんです。
実は霧島と吉乃の婚約には、深い理由が隠されていました。吉乃の祖父である蓮二は、吉乃の父親を殺した人物が出所してくるのを見越して、吉乃を守るために霧島に託したのです。
表向きは婚約者という立場ですが、霧島は蓮二との約束で吉乃の傍に四六時中いることを義務付けられています。しかし興味深いことに、霧島は利用されることを承知で吉乃の側にいることを選んでいるんです。
霧島の行動の根底には、常に計算された意図が存在します。しかし、吉乃に対する感情だけは純粋なものとして描かれています。自分と根っこの部分が似ている吉乃を見るたびにどんどん惚れ込んでいき、自分の命をかけて彼女を守ろうとする姿勢には、計算や思惑は一切含まれていないんです。
物語は、霧島と吉乃の関係性がより深まっていく方向に進んでいきます。特に注目すべきは、菜緒が吉乃に語る「吉乃がまだ知らない霧島の過去」です。この展開は、霧島の新たな一面を明らかにするとともに、吉乃との関係にも大きな影響を与える可能性が高いでしょう。
現在アニメ化され、さらに注目を集めているこの作品。霧島と吉乃の関係性は、単なる極道の婚約者という枠を超えて、より深い絆へと発展していくことが予想されます。